恵比寿日和
2021年
ベランダの里山ユニットのシャガが満開です。
ベランダで、春を眺める。小さいながらシャガの花が誇らしげに咲いていて、若葉も日に日に膨らんでいる。
ささやかですが、心和むひとときーーなのは間違いないのですが、春分を過ぎたとはいえ、まだ3月。
シャガが咲くには早すぎるのでは?と驚きました。
今年の桜は咲き急いだようですが、年々季節の進み方が早くなるようで、気候変動と重なって心配になります。
先日も、知り合いの方からヤマブキが花を開いていているらしい、とお知らせがありました。
5月の連休頃に咲くものだと思っていました、と。
あぁ、確かに。ヤマブキも今日は満開でした。
都内で拾ったコナラのどんぐりから、可愛らしい芽が出ました。
コナラの新芽は銀色の産毛に包まれていて、好きな若葉の一つです。
大木になると、春の日差しを浴びて銀色に輝くようで、荘厳ともいえる姿です。
その大木も、こうしてどんぐりから芽を出して育っていったのですね。
初候
第七十侯「ふきのとう、咲く」
今日は大寒らしい厳しい寒さですね。
「ふきのとう」はまだ先のようですが、
コブシの蕾は先月よりも少し大きくなったように思います。
春が待ち遠しい。
次候
第七十一侯「水沢、氷を張る」
ナンテンの実生(みしょう)を見つけました。
枯葉の中に紅一点、愛らしく主張していました。
合羽坂テラスより
末候
第七十二侯「鶏、はじめて卵を抱き始める」
七十二候も一巡りして、最後の候となりました。
七十二候は、二十四節気を更に「初候」「次候」「末候」の
三つに分けてつくられています。
第七十二候は、「大寒」の「末候」。冬の終わりとも言えます。
毎年手にさせていただく「和暦日々是好日」の中で、
制作者の高月美樹さんは、こんな風に記しています。
***
自然と一体になって暮らしていた昔の人々は「気配」や「兆し」に敏感でした。
それぞれの季節には「生、旺、墓」があり、ひとつの季節が頂点を迎えた瞬間に、
次の季節の生まれたことを感じていたのです。
***
そんな四季の変化を感じにくくなった都会暮らしの中でも、
目を凝らせば季節は着実に巡っているーー
そんなことを植物たちを通してお伝えしたくて、
SNSで「ベランダ森化」を始めました。
私たちのオフィスがある新宿の合羽坂テラスには、
5×緑の里山ユニットが並んでいます。
私たちは、そこで、都心の限られたスペースであっても、
営まれるいのちの巡りのあることを知りました。
花が咲き、実を結び、葉を落とし、また若葉が萌える、
そんな変化を身近に見てきました。
打ち合わせのガラス越しに、鳥が水浴びをしている様子を見たことも、
アオスジアゲハの幼虫の育ちを見届けたことも、
カマキリの赤ちゃんを見つけたこともありました。
並んでいる里山ユニットの枯葉を掻き分けると、
そこに芽生えたばかりの小さなユキノシタをみつけることができました。
冬の終わりに春の兆しをみつける、そんな喜びを大切にしたいと思います。
もうすぐ立春。
春からは、二十四節気ごとに、この合羽坂テラスから季節の便りをお届けします。
写真は、写真家のmasacoさんにお願いすることになりました。
どうぞお楽しみに。
初候
第六十七候「芹、盛んに育つ」
新年あけましておめでとうございます。
三が日は天気も良くて
気持ちの良い新年の幕開けとなりました。
元日、散歩をしていたら、
「この時期に白い花が満開?」という樹に会いました。
答えは花ではなくて、
ナンキンハゼの白い種子。
秋には紅葉も美しくて、
四季を通じて楽しませてくれる
中国産の落葉樹でした。
次候
第六十ハ候「地中の清水、動き始める」
夕方ふと空を見上げたら、落葉した寒々しい樹木から、月が覗いていました。
大寒よりも小寒のほうが寒気を感じることがあるそうです。
末候
第六十九侯「雉、鳴く」
雉は、万葉集にも登場する日本の国鳥。求愛の鳴き声は、
春の兆しを感じさせるものだったのかもしれません。
「雉、鳴く」は小寒の末候。大寒も目の前です。一年で一番寒い季節。
でも、季節は春を胚胎しながら進んでいきます。
樹々の冬芽の膨らみが私たちにそのことを教えてくれます。
(写真はシラカシの冬芽です)
初候
第六十四侯「夏枯草、芽を出す」
寒いですね。
空気が澄んで、
ソヨゴの赤い実も艷やか。
今日は冬至、ゆず湯でゆっくり温もりたいですね。
次候
第六十五侯「大鹿、角を落とす」
合羽坂テラス、今年最後のテイカカズラの実。
実がパンと割れ種がいまか、いまかと巣立つのを待ってる様。
種には鳥の産毛のようなふわふわ艶艶の羽を持っていて、
巣立つという言葉がぴったりな気がします。
風に乗ってどこに行くのでしょうか。
末候
第六十六侯「雪の下で、麦の芽のびる」
七十二候の中でも好きな一候です。
季節の言葉は、この頃から次第に春の兆しが感じられるようになってきます。
さて、年の瀬になると気になるのが我が家の小庭の千両の実です。
大晦日まで待って、ひと枝正月飾りにもらうのですが、一昨年も昨年も、
それより前に鳥たちに食べ尽くされてしまいました。
元々、この千両は、鳥たちが運んでくれたもの。
優先権は彼らにあるので仕方がありません。
この冬も南天が早くからなくなってしまったので、諦めていましたが、
今年はちゃんと残してくれたようです。
それはそれで、どうしたのだろうと気にはなるのですが。
一年の終わりを表す言葉は色々ありますが、年の湊もその一つ。
希望をたくさん積み込んで、新しい年へ佳き舟出を。
初候
第六十一侯「天地寒く、真冬となる」
葉裏からの葉脈がとてもきれいで、
思わず撮った一枚。
今日はニ十四節気 大雪。
テラスの紅葉もいよいよ終盤です。
次候
第六十二候「熊、穴にこもる」
花が咲いているのかと思ったら、アケビの葉っぱでした。
合羽坂テラスにて
末候
第六十三侯「鮭、群がって川を上る」
新年の声が聞こえてくる季節。
お正月に飾られる万両、千両、十両、艶々の赤い実の揃い踏み。
合わせて一万一千十両!?
初候
第五十八侯「陽射しが弱まり、虹を見なくなる」
隣の雑木林も
すっかり秋色になりました。
次候
第五十九侯「北風、木の葉を払う」
うちの柿の葉も北風で全て払われていました。
いよいよ冬ですね。
仲間のお子さんがビワの種から育てた木が、
縁あって合羽坂テラスの森に植えてあります。
10?12年目に初めて花が咲きました。
来年は実をつけますように!
末候
第六十侯「橘、初めて黄ばむ」
昔の人はこんなところにも季節の変化を感じ取っていたのですね。
橘ではないけれど、合羽坂テラスの金柑はこんなです。
初候
第五十二候「初霜が降りる」
合羽坂の小さな秋。
カキノキ、ガマズミ、コマユミ。
次候
第五十三候「「雨、時々ふる」
庭のツワブキにたくさん蕾ががつきました。
フキに似た艶のある葉からツワブキになったと言われています。
合羽坂テラスの食べられるユニットには、ツワブキとフキが植わっています。
末候
第五十四侯 楓蔦、黄ばむ
電車の中で、軌道敷きに生茂るセイタカアワダチソウを見て、
ご婦人がお隣の男性に「ほら、見て。女郎花があんなに。
見事ねぇ。秋の七草よ」とお話しされていました。
確かに今では、東京の秋の七草はセイタカアワダチソウなのかもしれません。
楓も蔦も秋色の候、万両の実も色づきはじめました。
初候
第四十九侯「北から雁がやってくる」
暦のうえでは、秋晴れが続く季節ですが、今年は週末の台風が心配ですね。
先日の選択除草で、たわわに実る銀杏を見つけました。
秋が深まり始める頃です。
次候
第五十侯「菊の花、咲く」
秋の風景に溶け込んで目立ちすぎず、
でも色を添えているオミナエシがあまりにも可愛くて、、
10/3選択除草より
末候
第五十一侯 蟋蟀、戸口で鳴く
植物のこんなところにやられてしまうのです。
小さなアプローチガーデンができた時にやってきた月桂樹。
最初から黒スス病にかかってしまってずっと調子が悪く、
木酢液を撒いたりもしたのだけれど、なかなか良くならないままでした。
それでも枯れもせず、20年もずっと我が家の庭にいたのですが、今年の猛暑!
夏の終わりに茶色く枯れる葉が出てきて、こんなことは初めてで驚いて、
心配していたのですが、ある日見ると、茶色くなった葉っぱの間から若芽が!
植物のこんな姿ににいつも元気をもらいます。
初候
第四十六侯「雷、声を収む」
次候
第四十七候「虫がかくれて、戸をふさぐ」
ゴンズイの果実が熟して裂けました。
1個の花から3個の果実ができるそうです。
末候
第四十八侯 水田の水を抜く
キンエノコログサが秋の日差しに輝きながら風に揺れていました。
外来種を除いて在来種を残す選択除草を続けている「みどりの広場」。
チカラシバとキンエノコロ、そして虫たちの王国になっていました。
波打つようなチカラシバの合間にオミナエシが顔を出し、
カントウヨメナやミズヒキの群生が草原に色を添えています。
こんな草っ原も最近見なくなりました。
これまでの選択除草で確認された在来種は115種類に上ります。
初候
第四十三侯「草に宿った露が白くなる」
台風の影響でコナラやクヌギの大木も大きく揺れています。
よく見るとクヌギにどんぐりががたくさん実っています。
秋が近づいていますね。
次候
第四十四「鶺鴒(セキレイ)、鳴く」
7月ごろから次々と花を付けているヒヨドリジョウゴ。
実を付けてもまだまだ咲き続けています。
末候
第四十五侯 燕、南へ去る
今年の夏は暑かった!
9月に入っても連続の猛暑日。
いつもはわんわん伸びるテイカカズラも、今年は暑さに伸びるのを控え気味です。
そんな中でも葉を開こうと、枝先に小さな新芽をみつけました。
一生懸命さが健気です。
初候
第四十侯「綿のはなしべ、開く」
我が家のユニットに、
初めてコバギボウシの花が咲きました。
次候
第四十一侯「天地の暑さ、ようやく鎮まる」
合羽坂テラスでみつけた実、テイカカズラ、ゴンズイ、スギ、ガマズミ。
樹種によって形が様々で、実が熟し種子になって次の命に繋げる(子孫を残す)
究極の形なんですね。
末候
第四十二侯 稲の穂、実る
我が家の里山ユニットのテイカカズラにはじめて実がなりました。
土は、わずかに30cm角しかありません。
そこに植えたテイカカズラ、にしては立派で大きな実二つもついて、
なんだか「お前も一人前になったね、エライね」
と声をかけてかけてあげたくなるようなー(親バカっ!?)
テイカカズラの実は豆の鞘のように見えますが、やがて茶色くなって割け、
冠毛につつまれた小さな種が、風に乗って飛んでゆくようにできています。
初候
第三十七侯「かすかに涼風が立ち始める」
ようやく夏らしくなってきたところですが、今日は立秋。
歩いていたら、秋の七草、萩を見つけました。
次候
第三十八侯「蜩(ひぐらし)が鳴き始める」
ニシキギの若い実。
撮った角度のせいか、クリオネに似て可愛いらしい。
秋には葉も実も綺麗な赤色になります。
末候
第三十九侯 深い霧が舞い降りる
立秋も過ぎたというのに、連日記録的な猛暑に見舞われています。
伊勢神宮下宮参道の入口にあるホテルのフロントロビーを飾る里山ユニット。
夏の日差しを浴びてホトトギスが力強く咲いていました。
赤紫の斑紋が、鳥の時鳥の胸の模様に似ているのが名前の由来と言われています。
夏の光の中、赤紫の斑紋もひときわ鮮やかでした。
初候
第三十四侯「桐の花 、実を結ぶ」
テイカカズラのお手入れ第二段。
丁寧にツルをピンチすると、
写真のように葉っぱは密になります。
写真は6年前にお庭を作らせていただいたお宅の様子です。
奥様の手入れの賜物です!
次候
第三十五侯「土潤いて、蒸し暑し」
合羽坂テラスの緑もだんだん深くなってきました。
毎日雨ばかりですが、雨も素敵に思えるテラスの森です。
末候
第三十六侯 時折、大雨が降る
入道雲に夕立ち。盛夏の侯。
今年、関東は昨日ようやく梅雨明けしましたが、来週は、はや立秋。
なんて短い夏でしょう。
写真は京都の壁面緑化に咲いた、女郎花。
秋の七草の一つです
初候
第三十一侯「梅雨が明け、熱風吹き始める」
テイカカズラの花も終わってツルがぐんぐん伸びてきました。
葉と葉の間が空いたツルは、
元気な双葉の上から、
思い切ってツルを切ってみてください。
テイカカズラのお手入れ、お願いします。
次候
第三十二侯「蓮の花、初めてひらく」
水盤ユニットに咲くコバギボウシ。
後ろ姿ですが、、
末候
第三十三侯 鷹の雛、飛ぶ技を習う
雛の巣立ちの候、5×緑の新しい緑化ユニットの生産拠点「5×緑 BASE」が
少しずつ稼働し始めました。
今日はみんなで、西風対策の生け垣を植えました。
風、雨、日差し、、、自然と上手に折り合いをつけられるか心配です。
巣立つ雛のごとく、私たちも一つ一つ学びながら、
ここで、街に届ける緑を育みます。
初候
第ニ十ハ侯「夏枯草、枯れる」
今日は東京郊外にある幼稚園の
メンテナンスに来ています。
去年はここでウツボグサがたくさん
咲いていましたが、
今年はオカトラノオが元気です。
グラスダイヤモンドフェンスも
テイカカズラか充実してきました。
次候
第二十九侯「菖蒲の花が咲く」
梅雨のあいまの太陽。
草木が嬉しそうに輝いています。
すっかり緑が深くなりました。
合羽坂テラスより
末候
第三十侯 半夏、生じる
半夏(カラスビシャク)の生える候。
今日は一日大雨になったり小雨になったり。
この頃降る雨は「半夏雨」と呼ぶそうで、大雨になることが多いとか。
里山ユニットのキキョウも雨に打たれて。。。
一年も、折り返しです。
クリスマスの日。秋に里山ユニットをお届けし、テラスを"森化"してくださった方から、里山ユニットを絵葉書にしたお便りが届きました。
植物たちを慈しんでくださっている様子がつたわってくる文面。
私たちにとっては何よりのクリスマスカードになりました。
新築のご自宅は、鹿児島でカッコいい住宅をつくっているベガハウスさんの手になるもの。
素敵な空間に迎えられて、緑も一段と映えるようです。