恵比寿日和

風薫る五月。若葉風、緑風とも。
山も街も緑に染まるようです。

テラスに咲いたニシキギの花に光の粒が弾んでいます。
花は地味で、紅葉や赤い実が美しいニシキギは、秋のイメージが強いですが、新緑が美しいこの時期のニシキギがとても好きです。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

合羽坂テラスの前庭には桜の古木があります。

一葉という里桜で、染井吉野より1週間から10日ほど遅く咲き始め、入学式の頃に満開になります。

穀雨に濡れて散り初めし頃。
ゆく春を惜しむ気持ちと重なります。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

文字通り穀物を育てる雨。
せっせっと水揚げをして若葉を展開したり、花を咲かせたい植物にとってはまさに恵みの雨で、瑞雨や甘雨という表現も、そんなありがたさから生まれたのかもしれません。

一面の菜の花や卯の花の垣根が印象的な季節。
この時期の長雨を菜種梅雨、卯の花腐しなどと呼び習わすのも、この時期の景色をよく表していると思います。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

テラスに咲いた野薔薇一輪。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

昨日東京では桜の開花宣言がありました。
合羽坂テラスでも、若葉が膨らみ瑞々しい緑が枝々を飾っています。

「春分の日」は、昭和23年、終戦間もない頃に「自然をたたえ、生き物を慈しむ日」として国民の祝日に制定されたそうです。

今日を中日に前後3日間が春のお彼岸。
暑さ寒さも彼岸まで、と言いますが、明日は寒が戻って来るようです。
花冷えの一日になりそうです。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

春一番が吹いた今日、雨水から啓蟄へと季節がひとつ歩を進めました。

啓蟄は、土の中で冬籠りしていた虫たちが動き出す候。
テラスの土からもほら。
顔を出したばかりの緑が愛らしく。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

この時期、テラスの里山ユニットに蕗の薹を探します。
淡い緑がひょっこり土から顔を覗かせているのをみつけると、ほっこり嬉しくなるのはどうしたわけでしょう。

春の味でもある蕗の薹。
蕗の薹摘むにはじまる小さかもり 皆川盤水

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

冷たい空気の中にも、春の陽光のきらめきを感じる季節になりました。

先の財団法人ハヤチネンダのオンラインイベントで、「和暦日々是好日」の著者でもある高月美樹さんが、日本の暦は季節の兆しを知るに優れたもの、というお話をされていて、膝を打ちました。 

雨水の候は、まさに草木が動き始めるとき。
この頃に降る雨を「木の芽起こし」というそうです。
そろそろ春だよ♪そんな雨の声に、冬の間眠っていた植物たちが目覚め、伸びをする様子が浮かんできます。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

新宿合羽坂に訪れる季節のめぐりをmasacoさんに撮ってもらうようになってはや一年。再び立春が巡ってきました。
都会のこんな小さなテラスにも、季節ごとに本当にたくさんの表情があって、あらためてその豊かさを思います。

立春を過ぎると「春隣」という言葉を耳にするようになります。
理屈では、「夏隣」も「秋隣」もあるはずですが「春隣」はやはり格別。
草木が伸びるように、冬の寒さに縮こまった心と身体がのびやかにひらいて、日差しの温もりにほっとする、そんな春を待ち望む嬉しさがある言葉です。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

合羽坂テラスには、私たちが越してくる前から水仙が植えられていました。
植栽枡の土を入れ替え、植え直してから毎年花を咲かせてくれます。

水仙は「雪中花」とも呼ばれ、厳寒の冴えた空気に清々しい香りを放ちながら咲く姿には、凛とした気品があります。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

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