恵比寿日和

2025年

2025.04.29
天気:晴れ
気温:19度

観察開始以来初めて昼過ぎに足を運びました。コーヒーを淹れる準備とともに。
前回ノウルシ畑だった田島ヶ原の様子は一変し、背丈がグッと増していました。とはいえまだ見晴らしはよく、見物客の頭が草むらの中からチラチラ見え隠れします。

今日も見頃を迎えた草花を観察していきましょう!

写真1_P4290211.JPG
まず目についたのはスイバ。葉の基部が矢じり状になっていたり、実にコブがないことからギシギシと見分けられました。赤みがかった実が所々から顔を出し、サワサワ揺れています。

写真2_P4290196.JPG
ヤエムグラ。

写真3_P4290201.JPG
写真4_P4290203.JPG
レンリソウ。初めて見ましたが、普段見かけるカラスノエンドウと比べるとひときわ大きく、優雅な印象。いわゆる雑草感がないといいましょうか(カラスノエンドウさん、ごめんなさい)。2裂する托葉と幅の狭い翼が特徴です。

写真5_P4290225.JPG
スゲ属の多くが花期を迎えているようです。見分けが難しいのですが、こちらはトダスゲでしょうか。果胞(黄緑色の雌小穂の1つ1つの膨らみ)が卵型でなく丸く膨らんでいることからそう推定できます。

写真6_P4290244.JPG
おそらくヤワラスゲ。「最下の小穂は離れてつき、長い柄がある」(山渓ハンディ図鑑1野に咲く花、2015)と一致。

写真7_P4290256.JPG
この日の個人的ハイライトはチョウジソウ。柔らかな花のシルエットが美しいです。

写真8_P4290261.JPG
タイミングを見計らいパシャリ。チョウジソウの蜜を集めていたのはヒゲナガハナバチの一種だそうです。

写真9_P4290319.JPG
写真10_P4290322.JPG
チョウジソウに負けない優美さをもつアマドコロ。群生している様子を見ると鈴なりが聞こえそうなくらい白い花が映えます。

写真11_P4290271.JPG
目立つものばかりではありません。ハナイバナと思われるこちらの花は危うく見逃すところでした。全体的に淡青紫色の花を咲かせているので花の中心の黄みがかるキュウリグサと見分けられるそうです。

この他にも様々な植物が自分の晴れ舞台を待ち望むかのように元気に育っており、目が話せません。寝泊まりできればいいのに...。
そう思いながらあっという間に日が暮れそうなくらいまで時間がたってしまいました。コーヒーは飲めずじまい。

                                     R.T.

2025.04.05
天気:晴れ
気温:14度

晴れ渡った朝。自転車日和です。
田島ヶ原も前回と比べ濃さがグッと増しました。背景のさくら草公園もお花見で賑わっています。

写真1.jpg

ノウルシは前回より草丈が高く、ボリュームも感じられます。ノウルシもサクラソウ同様、自生している様子が見られる場所は限られており保護の対象ですが、田島ヶ原ではサクラソウを圧倒するくらい繁殖が進んでいるようです。これでは肝心なサクラソウの個体数の維持ができなくなってしまう、というジレンマをかかえています。
写真2.jpg

見頃を迎えた植物を駆け足で紹介していきます。

ジロボウエンゴサク
写真3.jpg

ヒキノカサ
写真4.JPG

周辺の草丈がまだ低く、どちらの花も小さいながら目立ちます。

かがんでよく探さないと見つからないのはヒロハハナヤスリ。こう見えてシダの一種。
写真5.jpg

そしてタンポポ。
総苞外片が外に開いているのがセイヨウタンポポ、閉じているのはカントウタンポポ、と習ったのは小学生のとき。この個体はよく見ましたが、閉じているような、開いているような...。
写真6.jpg

シロバナタンポポも!
写真7.jpg

地べたに這いつくばるようにして咲いているのはムラサキサギゴケでしょうか。
これから匍匐茎を伸ばし、暴れたような姿になるはずです。
写真8.jpg

アマナは花期が終わり、蒴果(さくか)が残るのみ。
写真9.jpg

移ろいの速さに驚きを隠せませんが、草花はそれだけ一日一日の変化を敏感に感じ取り、育っては枯れていくのだと改めて気付かされます。

                                     R.T.

家から自転車で行ける距離に田島ヶ原という草地があります。

近代をむかえるまでは暮らしを支える重要な役割を担っていたものの、工業化が進み著しくその面積を急激に減らす半自然草地。田島ヶ原は何千年もの続いた人間と自然との関わりの断片的証拠ともいえる貴重な場所です。サクラソウ自生地として唯一の国指定特別天然記念物にも指定されており、毎年4月中旬頃、サクラソウの開花に合わせ多くの人が訪れます。

ランドスケープの業界に足を踏み入れまもなく1年。様々な植生の勉強をする中で草原植生についてもっと詳しく知りたいと頭を悩ませていたのです。絶好の資料がこんなに近くにあったとは。せっかくなので散歩がてら植生観察、同定を定期的に行い、共有しようと思います。

2025.03.15
天気:曇り
気温:11度

まだサクラソウは咲いていません。
花期を迎えているのはノウルシとアマナ。

写真1.jpg 写真2.jpg

ノウルシはまだ半分寝ているようなこの地の目を覚まそうとでもするように黄色い花のカーペットを所々に敷いています。

写真3.jpg

若葉が出てきているものも沢山。こちらはノカンゾウでしょうか。

写真4.jpg

ギシギシ

写真6.jpg

ノカラマツ、おそらく。

写真5.jpg

ミツバツチグリも花はこれからのようです。

写真7.jpg

こちらではホトケノザ、オオイヌノフグリ、ナズナ、ヤエムグラの幼苗(?)の群生。
ホトケノザは都市部でもいたるところでコンクリートの間などから元気に顔を出していますね。

写真8.jpg

保護区域脇の法面にはヒメオドリコソウが。こちらはホトケノザと同じオドリコソウ属ですが、ヨーロッパ原産の外来種です。

写真9.jpg

この他にも色々育っていますが、ひとまずここまで。
季節の見どころも紹介できるように引き続き観察していきます。

ではまた!

                                   R.T.

IMG_E5634.JPG

春分

5×緑(ゴバイミドリ)の拠点は、都営新宿線の曙橋にほど近い場所にあります。
10年程前に越してきて、32m2ほどのテラスに里山ユニットを並べました。
里山にいるような在来の木や草が100種類ばかり。

こんな都会のわずかなテラスにも、小さなドラマがあります。
ハチもチョウもトンボもきます。カマキリの赤ちゃんたちを発見することも。
メジロが枝を揺らしに、スズメが水浴びしにやってきます。
緑を通して差し込む光を「綺麗」と思ったり、風に揺れたり、雨に打たれたりする葉をぼんやり眺めたり、そんな時間がとても愛おしいものに思えてきます。

なにより、季節の変化は劇的で、目をみはります。
sense of wonder
新宿の片すみの集合住宅の小さな世界に繰り広げられる季節の営みを分かちたいと、こんなページをつくって8年になります。
今日は、今日の季節です。

動画:新宿 合羽坂テラスから 
撮影 masacoさん

#ベランダ森化 #里山ユニット #日本の植物
#季節の花 #ゴバイミドリ #二十四節気 #春分

IMG_E5635.JPG

啓蟄

5×緑(ゴバイミドリ)の拠点は、都営新宿線の曙橋にほど近い場所にあります。
10年程前に越してきて、32m2ほどのテラスに里山ユニットを並べました。
里山にいるような在来の木や草が100種類ばかり。

こんな都会のわずかなテラスにも、小さなドラマがあります。
ハチもチョウもトンボもきます。カマキリの赤ちゃんたちを発見することも。
メジロが枝を揺らしに、スズメが水浴びしにやってきます。
緑を通して差し込む光を「綺麗」と思ったり、風に揺れたり、雨に打たれたりする葉をぼんやり眺めたり、そんな時間がとても愛おしいものに思えてきます。

なにより、季節の変化は劇的で、目をみはります。
sense of wonder
新宿の片すみの集合住宅の小さな世界に繰り広げられる季節の営みを分かちたいと、こんなページをつくって8年になります。
今日は、今日の季節です。

動画:新宿 合羽坂テラスから 
撮影 masacoさん

#ベランダ森化 #里山ユニット #日本の植物
#季節の花 #ゴバイミドリ #二十四節気 #啓蟄

IMG_E5637.JPG

雨水

5×緑(ゴバイミドリ)の拠点は、都営新宿線の曙橋にほど近い場所にあります。
10年程前に越してきて、32m2ほどのテラスに里山ユニットを並べました。
里山にいるような在来の木や草が100種類ばかり。

こんな都会のわずかなテラスにも、小さなドラマがあります。
ハチもチョウもトンボもきます。カマキリの赤ちゃんたちを発見することも。
メジロが枝を揺らしに、スズメが水浴びしにやってきます。
緑を通して差し込む光を「綺麗」と思ったり、風に揺れたり、雨に打たれたりする葉をぼんやり眺めたり、そんな時間がとても愛おしいものに思えてきます。

なにより、季節の変化は劇的で、目をみはります。
sense of wonder
新宿の片すみの集合住宅の小さな世界に繰り広げられる季節の営みを分かちたいと、こんなページをつくって8年になります。
今日は、今日の季節です。

動画:新宿 合羽坂テラスから 
撮影 masacoさん

#ベランダ森化 #里山ユニット #日本の植物
#季節の花 #ゴバイミドリ #二十四節気 #雨水

IMG_E5640.JPG

立春

5×緑(ゴバイミドリ)の拠点は、都営新宿線の曙橋にほど近い場所にあります。
10年程前に越してきて、32m2ほどのテラスに里山ユニットを並べました。
里山にいるような在来の木や草が100種類ばかり。

こんな都会のわずかなテラスにも、小さなドラマがあります。
ハチもチョウもトンボもきます。カマキリの赤ちゃんたちを発見することも。
メジロが枝を揺らしに、スズメが水浴びしにやってきます。
緑を通して差し込む光を「綺麗」と思ったり、風に揺れたり、雨に打たれたりする葉をぼんやり眺めたり、そんな時間がとても愛おしいものに思えてきます。

なにより、季節の変化は劇的で、目をみはります。
sense of wonder
新宿の片すみの集合住宅の小さな世界に繰り広げられる季節の営みを分かちたいと、こんなページをつくって8年になります。
今日は、今日の季節です。

動画:新宿 合羽坂テラスから 
撮影 masacoさん

#ベランダ森化 #里山ユニット #日本の植物
#季節の花 #ゴバイミドリ #二十四節気 
#立春

ページの先頭へ戻る