恵比寿日和

施設管理者の憂鬱

公園、商業施設、遊園地。広い屋外空間には「さまざまな人」が集まってきます。
そんな場所の一角に里山の植物を植える嬉しい機会をいただきました。

通りの間にある植栽地は、通行する人のショートカットの場になりがちです。
人が立ち入らないか、そのせいで植物が枯れないか、潅水して濡れた葉っぱが来場者のお召し物を濡してクレームにならないか、虫が来て刺したりしないか、施設管理者の心配はつきません。
そこで、対策は柵を巡らせ、立て看板を立て、という方向になりがちです。
けれども、禁止のメッセージが増えるほど、人の居場所としての風景は荒んでいきます。

さて、件の植栽地。
施工後しばらくして様子を見に行くと、引っこ抜かれた苗が5株ほど転がっていました。
見まわすと、それと思しき子供が2、3人。
しばらく様子を見ていると、まさに的中、嗚呼。
「現行犯」にできるだけ穏やかに声をかけ(心の中ではキャー!やめてー!と叫んでいましたが)、「この子たち(抜かれて転がる苗たちのことです)もここで一生懸命育とうと頑張ってるからいい子いい子してあげてくれる?こんな風に抜かれると死んじゃうから、抜かないで大事にしてね」と声をかけました。
神妙な顔をしてうなづいてくれたけれど。

なるほど「さまざまな人」が来る場は手強い。
管理者の方々の心配が募るのもわかります。
では「植物は抜かないでください」とまた立て札を増やすのか。

あの子たちに必要なのは「そんなことしちゃだめだよ」と声をかける大人の存在ではないか。
そんな考えで頭がくるくるなりながら、とりあえず抜かれた苗たちを植え直しました。 

負けずに根をはってね。

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