恵比寿日和

草取りをみんなで!

1970年代に建てられた古いマンションをシェアオフィスとして借り受け、みんなで引っ越してきてからはや8年。
今ではこんなに広いスペースは取らないだろうと思うような前庭があって、桜の古木が枝を広げていました。
珍しく、住み込みの管理人さんがいて、そんな昔風が、私たちには心地よかったのです。

ところが、ある時突然住み込みの管理人さんがいなくなり、玄関の扉まではA社、居室はB社、設備はC社、庭は造園会社が年に何回か入る、という風に区分けされ、効率化された管理に変わってしまいました。
特別なことではありません。
マンションの管理ではよくあることです。

けれども、住み込みの管理人さんがいた頃を知る私たちは、そしてちょっとクセがある管理人さんを懐かしく思う私たちは、管理による居心地の違いに驚くことになるのです。

圧倒的に違うのは、建物に対する愛情です。
それは管理項目に表すことができません。管理の項目さえ満たせば管理は滞りなく行われると考えがちですが、人の居心地というのは、そういうことでは満たされないことをあらためて。

その象徴が前庭です。
以前では考えられなかったことですが、いわゆる雑草がボウボウの、荒れた庭になってしまいました。

夏に造園会社が入って雑草を刈ってくれたのですが、経験のある方ならご存知のように、根を残したままの草はかえって勢いを増し、アッと言う間に元通り。
以前は管理人さんが、春先から日々庭に入って、いらない草を抜いていたのです。
「年に何回、何時から何時までの仕事」とは無縁の在り方で。

あまりにボウボウの庭を前に、ついに我らがシェアオフィスのまとめ役の方が立ち上がり、大家さんと交渉して、庭の草取り管理を勝ちとりました。
自分たちで除草することにしたのです。

以前から知る造園ユニットのkiyokazuさんにお願いして、管理の方針をご相談し、プロの手も借りながらお庭の手入れをすることになりました。

久々に爽やかに晴れたある秋の日に、シェアオフィスの有志が集まって、半日除草に勤しみました。
「全部を取ってしまうのではなく、これいいなと思うのは残してよし」
そして大切なのは「作業にしない」こと。
kiyokazuさんの言葉にうなづいて、みんなでいざ草取り!
面白いのは、打ち合わせしなくても、優先的に取る草が同じだったりしたこと。

見る間に変わる庭の景色に、達成感は半端なく、最後はみんなで記念撮影までしてしまう盛り上がりでしたー。

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