恵比寿日和

式年遷宮と動的平衡 ・・・ 映画「うみやまあひだ」

先の「恵比寿日和」にも書きましたが、映画「うみやまあひだ」を見ました。

今回はその感想の続き。。。

死と再生の繰り返しの中に「永遠」を観るのは、とても日本的な感性だと思うと、先のブログに記しました。
一緒に試写を見た方が、「伊勢神宮は世界遺産に登録できないんだってね。建物が20年しか経っていないから。20年ごとに式年遷宮を繰り返してきたことが凄いのに、それは理解してもらえないらしい」と語っていたのも印象的でした。
二十年ごとの死と再生があったからこそ千年の時を越えて守られてきたものがある。それは、森であり、そこに生きる多種多様な生き物であり、人の技術であり、祈りの形でもあるでしょう。
そのことは、福岡伸一さんの言う「動的平衡」という生命の戦略にとても似ていると思いました。


 〈  私たち生命体は、たまたまそこに密度が高まっている分子のゆるい「淀み」でしかない。

       しかも、それは高速で入れ替わっている。  略

      秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。  略

      生命とは動的平衡にある流れである。〉

                                                                              福岡伸一「生物と無生物のあいだ」



生命はエントロピーに追いつかれないように常に分解と再構成を繰り返す戦略を選択したのだといえます。
伊勢神宮のシステムは、まさに生命のシステムそのものといえるのかもしれません。

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