恵比寿日和

梅干し 2つ

八月の終わりに、京都は美山の里山にお邪魔した。

澄んだ流れの残る美しい里山で、鮎や蛍もまだまだ身近にたくさんいるとか。

さて、里山を訪ねると「お約束」なのがお土産をもたされること。
里山の人々は、いつだって実に気前よく「あれもこれも持って帰れ」と、都会暮らしの私が「えっ!?こんな貴重な山の幸をこんなに?」と驚くようなお土産を持たされるのが常なのだ。(竹の子やら山菜やら天然のキノコやらを前に、貧乏性の私はついつい「この間スーパーで6個パック480円もしたのに」などと考えてしまう。。。)

で、美山は梅干しである。

お世話になったお宅の軒先に大層おいしそうな梅干しが干してあった。

夏の日差しを浴びて、表面はふっくらと柔らかく、いかにも滋味豊かな風情。

東京から来たわたしたちは、ついつい、つまんで食べてしまった。勧められてもいないのに。(おいおい)

それを知った奥様は笑って「どうぞ、好きなだけ持って帰って」。

というわけで、我が家の食卓には今、おいしいおいしい梅干しが並んでいるのだが、実は我が家には、もうひとつ栃木の馬頭でいただいた梅干しがある。

美山の梅干し

5×緑の里山ネットワークである栃木県の「馬頭の森」の佐藤さんのお母さんは、近所でも知られたお料理上手である。うかがうたびに、至福の里山のご馳走が待っている。
有り難いことに毎年お手製の梅漬けを頂戴する。
こちらの梅干しは、とてもフルーティで、口に含むとふわっと梅の香りが広がる。

梅干しも里山ごとに、作り手ごとに色々。
もっといえばきっと年ごとに違うんだろうなあ。
梅干しを見て思う。
梅干しひとつの向こうに広がる、日本の昔ながらの暮らしの豊かさや楽しさ。

馬頭の梅干し
 
 
                                                  



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