活動レポート&里山便り

2007年

5×緑の管理委託地の整備が始まりました!
まずは1.5haが対象となります。
継続的に手入れを行い、植生の回復を待つ予定です。



<雑木林の管理 シイタケ原木の切り出し作業>


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・植栽後約30年を経過したコナラを主体とした雑木林。樹高は平均12~15mで、高い木で20m程度に達しています。
・シイタケの原木用(原木:原料・材料となる木)には20年前後に伐採するのがよいとされており、概ね15~25年周期で伐採。その理由として、20年生前後に伐採するとその後の萌芽がよい、原木としての取り扱いが手頃なサイズになるなどが上げられます。
・この林は下刈りなどの林床管理をほとんど行ってこなかったため、林床にはアズマネザサが繁茂し、他の林床植物は貧相になっています。






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・刈払機による林床管理の状況。伐倒した後の原木採取作業を効率的に行うために林床を整理する必要があります。
・笹を刈る時は、笹刈り用の刃を取り付けて作業します。丸一日刈払い作業を行う時は替え刃を10枚ほど持参し、頻繁に取り替えて作業します。
・植栽後あるいは伐採後10年間の下刈りと落ち葉掻きなどの管理を継続することが次の原木育成のために望ましいとされています。







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・下刈り後の林床の状況。アズマネザサが倒れ原木採取作業がやりやすい状況になりました。
・植栽密度は概ね2m間隔で、2,000~2,500本/ha程度です。











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・チェーンソーによる伐倒作業。
・倒す際には幹に傷が付かないように、妨げとなる木がなく倒れやすく、かつ搬出しやすい方向を見極めてチェーンソーを入れます。
・シイタケの菌は樹皮と材の間に広がっていきます。そのため、樹皮を傷つけてしまうと菌の繁殖に影響を与えてしまうので、このことに留意して倒す方向を決めているのです。








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・原木採取作業の下準備。シイタケ原木は長さが90㎝(三尺)に統一されているので、90㎝間隔で印を付けていきます。1本の木からだいたい10本の原木が採取できれば良い方と言われています。
・シイタケ生産農家は機械を使って菌の種駒を入れる穴を開けるため、原木はまっすぐで規格(太さ)が統一されていることが求められます。そのため、幹径が6㎝以下の細いものや20㎝以上の太いもの、曲がった部分、太い枝の付け根の部分などは排除されます。写真中の幹の手前に「×」と記されている部分は排除の対象です。
・因みに太い原木は肉厚でおいしいシイタケができ原木も長持ちするのですが、菌がまわるのに時間がかかること、重くて扱いが大変なことなどの理由から生産農家からは排除されます。



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・90㎝に玉切りしている様子です。
・玉切りとは「切り倒した立木の幹を太さ、曲り欠点の有無、用途によって最適の長さに切ること。」(広辞苑)です。











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・90㎝に玉切りした原木です。
・シイタケ生産農家が求める曲りのないまっすぐな原木です。












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・玉切りした原木を搬出しやすいように集めたところです。太すぎたり曲がっていたり、細すぎるところは脇に置かれます。
・出荷できる原木は幹径が6㎝~20㎝が目安です。











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・原木を山から搬出するためにジムニーに積んでいるところです。
・広い林道が整備されているところや起伏が緩くアクセスしやすいところでは2tトラックや軽トラックなどで搬出しますが、ここは起伏のある山の中のため、悪路に強いジムニーで搬出しています。
・幹に傷をつけないように手作業で丁寧に扱います。









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・積み込み完了。運搬中に原木が落下しないようにロープで結束しています。












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・搬出対象とならなかった幹をまとめて置いたところです。
・太すぎるものは、家庭用にシイタケを生産する原木として利用されたり、パルプ原料のチップ材として搬出されます。また、稀に太い原木を利用してシイタケを生産する農家に出荷されることもあります。
・なお、チップ材として出荷する場合は、10tトラックの荷台に横積みできる2mの長さにカットして搬出します。








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・細い幹の先端や切り落とした枝を集めたところです。
・かつてこれらは燃料として利用されていたために山から持ち出されていたのですが、現在は燃料としての利用がないため山に放置されます。3~5年もすると朽ち果てて山の肥料となります。



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・山から下ろした原木を搬出用のコンテナーに積み替えます。これも一本一本丁寧に手作業で行います。
・原木は水分を含んだ状態なので結構重量があり、幹径によってそろぞれ以下のような重さになっています

幹径:重さ
 6㎝:約 5kg
10㎝:約10kg
15㎝:約18kg
20㎝:約20kg




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・全てのコンテナーに原木を積み込んだ状態です。
・1回の運搬でコンテナー18基を運び出します。










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№15
・一つのコンテナーに概ね70~100本ほど積み込めます。原木が細いものばかりの場合は120~130本の積み込みが可能です。
















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・原木積み込み用のコンテナーには、コナラ以外にミズナラやクヌギが間違って混入しないようにこのような注意事項が記載されています。
・シイタケ生産農家がコナラだけを希望していることが伺えます。











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・コナラの樹皮です。
・樹皮は灰白色で、縦に不規則な裂け目があるのが特徴です。
















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・クヌギの樹皮です。
・樹皮は灰褐色で、やはり縦に不規則な裂け目がありますが、コナラに比べて入り組んで複雑です。
・クヌギは樹皮が剥けやすいためにシイタケ生産農家からは敬遠されます。














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・原木を積めたコンテナーを運搬用のトラックに積み込んでいる様子。
・原木の詰まったコンテナーをトラックに積みながら、空のコンテナーを下ろして次の出荷の準備をしていきます。











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・18基全てのコンテナーがトラックに積み込まれた様子です。













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・シートを被せて出荷の準備OKです。













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・出荷後は次の出荷のためのコンテナー18基が準備されています。













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・原木が搬出され、切り落とされた小枝や出荷できなかった太い幹や曲がった幹が整理された後の雑木林の状況です。
・この後、次の原木採取の20年後に向けて樹林管理を行っていきます。
・具体的には、翌年たくさん萌芽してきた枝の中から、力強くかつ伸びている方向の良い枝を3~5本程度選出して他を除去し、残した枝を育てていきます。
・その残した枝が太陽の光を十分に浴びてよりよく成長できるように下刈り管理を5~10年継続して行っていきます。






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・原木を採取した雑木林の隣のヒノキ植林の状況です。
・5×緑と連携した栃木の森では、雑木林だけではなく、スギ・ヒノキの植林も適正に間伐等の管理を行って健全な樹林を育成しています。


関西のアゼターフ採取地候補、高島町の植生を本格的にみていただくために、田瀬さん、矢澤さんに同行いただき、畑地区の棚田を訪問しました。

現地では、ボランティアの宮脇さんら3人が出迎え、案内くださいました。

 

 

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畑地区はまだまだ在来の草花の残るところで、私(宮田)がお2人の側で聞き覚えただけでも、リンドウ、ノコンギク、アザミ、ゲンノショウコ、カンゾウ、ウツボグサ、キツネノマゴ、ヒメヤブラン、テイカカズラなどが見られました。

 

田瀬さんからは、畦に残る植生を増やすために他の水をぬき、田を畦と同じ高さに平にして、草刈りをしながら草地を増やす、そのなかに周りの草花を移植したり種を播いたりして、増やしていけばよいのではないか、とのご意見をいただきました。

 

現地で拝見した場所は、高齢のご夫婦の棚田で、高齢のため放田になっているところを宮脇さんらボランティアの人たちが草刈りをし、一部蕎麦や里芋を植えて管理しています。

蕎麦打ちや芋煮会で人をよんで田の管理を手伝ってもらうとのことですが、今は参加者も減り、細々と活動を続けていらっしゃるようです。

それでも宮脇さんは週に一度は棚田にいらっしゃるそうで、棚田がなくなることを真剣に心配されています。

 

お聞きすると地主の方の年齢は80歳を超え、ボランティアの宮脇さんは75歳だそうです。

地区に若者は一人もいないそうで、棚田は、これらお年寄りの手で守られています。

しかし、彼らがいなくなったらどうなるのか、400年以上続いた目の前の美しい棚田の風景は、風前の灯火の風景でもあることを実感しました。

 

お爺さんたちのお話のなかで印象深かったのは、戦後の農業政策のことでした。

 

私たちも棚田の奥のスギの植林地を歩いたのですが、森は暗く下草が全く生えていません。

スギの植林が進められた時期、多くの棚田を潰してスギを植えたそうで、今は間伐さえ難しく、下草もないために土砂災害の原因にもなっているとのこと。

雑木林にすれば、森は豊かで落ち葉も積もり、水を蓄えてくれるので、災害にはならないのに、と地主のお爺さんはおっしゃっていました。

森の貧しさに伴って野生の動物が里に下り、獣害といわれています。

その獣害対策のために、棚田の周りには何億もかけて対策用の網が張られたとか。

 

ほんの1日お邪魔しただけでしたが、多くの???を感じた訪問でもありました。

 

 

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滋賀の高島町に関西のアゼターフの採取地を探しに行って参りました。

滝本さんのお知り合いの方を訪ねていったのですが、その周辺の放棄田畑は、かなり外来種が侵入していました。

訪ねた先で、畑(はた)という地域は棚田百選にも選ばれ、地域ぐるみで環境にも取り組んでいると教えていただき、畑地域も回ってきました。

 

偶然声をかけた農家のお宅(棚田の一番上の農家。元気なおじいさんとおばあさんがお住まいでした)でお話をきくと、そのお宅でも棚田の管理ができず、8年前からボランティアがきて管理をしてくれているとのこと。

けれどもそれも段々下火になり、継続がむずかしくなりつつあること、また地域でもどんどん放棄田が増えている、という話を聞きました。

見せていただいた田圃は放棄地とはいえ、ゲンノショウコの咲き乱れる美しい場所で、狭いですけれども、一度は田瀬さんにも見に来ていただいてよいのではないかと感じました。

 

今管理のお手伝いをしているボランティア団体の地元の若い人たちと連絡をとって、関西のアゼターフの供給をお願いできそうな気がしています。

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