5×緑ニュース

造園家 山本紀久氏の本「造園植栽術」をご紹介します

造園家 山本紀久氏(愛植物設計事務所会長)の著作「造園植栽術」(彰国社)が出版されました。

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造園家として48年に及ぶ氏の"仕事"を集大成した書であり、造園に関する豊かな知識や技術が余すところなく語られています。

これまでの事例を織り込みながら、具体的にわかりやすく説明されていますが、ことに、氏の手によるスケッチや図版、写真がどれも美しく、見ていて飽きない書となっています。

 

また、その内容は専門書・技術書としての役割を十分果たしながらも、山本氏の目線は植物の周辺の"いきものたち"や"人の暮らし"にまで遠く及び、日本の文化論や風景論、更には環境問題に関する社会的なメッセージにまで到達しています。

この書を読むと、造園・ランドスケープの領域がいかに広く、深く、社会性を伴うものであるかがよくわかります。

 

本書は、見開き2ページごとにキーワードを軸に見やすく、わかりやすく構成されています。

キーワードがそのまま目次になっているので、キーワードを追っていくことで造園の体系が頭に入るよう工夫されています。

山本氏自身、「造園の特色でもある植物の扱いに焦点を当て、造園に必要な基礎的な知識を縦糸とし、横糸にはこれを応用するための要点を、私がかかわった具体的な事例を織り交ぜながら解説することで、膨大な知識と経験が必要な全体像が、初心者でもなるべくとらえやすいように構成した」と記しています。

 

東京農大名誉教授の進士五十八氏は前書きで「実に幅広い視点から"緑"の話題を展開し、それでいてキチンと"美しい国・日本のためのランドスケープデザイン技術"へと収斂させている」と語っていますが、この本は、まさにそのような書であると思います。


キーワードにそって、美しい図版でわかりやすく構成されたページ

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