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■新東京郵便局 新棟 増築プロジェクト


従来の屋上緑化手法ではコスト的にも荷重的にも不可能なことから、屋根にキューブ型のプランターユニットをドット式に点在させることによって、緑化とする独自のシステムを開発。

これにより、区の緑化条例をクリアすると共に、大幅なコスト削減と、ユニークな屋根景観を創出することができました。

 
プロジェクトの経緯

本プロジェクトの屋上緑化は、植物生育上、きわめて厳しい条件下で取り組む実験的色彩の濃い緑化手法である。
しかし、それは同時に緑化面積の少ない東京下町エリアにあって、新たな緑地環境を創出する可能性を秘めたきわめて建設的な試みでもある。

同施設は、隣接する湾岸部からの潮風と幹線道路を行き交う大型トラックからの排気ガスに容赦なく見舞われる場所に位置している。
建築物の構造としても当初から緑化が前提となっていないため、耐荷重的には限界がある。本来であれば保水性を高めるためために土壌にも厚みを持たせるが、構造的にも予算的にもそれができない。
その上ガルバニウム鋼板という熱伝導率が高く、輻射の大きな金属屋根面に直接設置しなければならない・・・等々極めて過酷な環境下で植物を生存させていくことが命題となった。

こうしたリスクの大きい緑化を取り組むに至った背景には「緑化条例をクリアしなければ、建築そのものが許可されない」という事業上の追いつめられた立場を理解することが大きい。と同時に、この一帯に張り巡らされていながら、利用が低下している工業用水の新たな活用策となることも含め、緑化密度の低い下町エリアに新しい緑化スタイルを進化させていくプロセスとして、チャレンジする意義があると考えるに至った。

限られた予算と、竣工までのタイトなスケジュールの中で、いかに過酷な環境に耐えられるかをテーマに試行錯誤を繰り返していった。その結果、今回誕生したユニットは、決して完成品ではなく、新たな設置環境で生存と成長を検証していくことが前提となっている。海浜に自生する乾燥に強い植物によって構成されたユニットは、決して繊細でみずみずしい緑とはいい難い。むしろ無骨で粗野な印象といえる。しかし、過酷な環境負荷に耐え、生き抜いていくことを最大限に突き詰めていった結果としての造形は、一面ある種の迫力を感じさせる。ここ数年の夏や冬の常態化しつつある異常気象が続くと、これから枯れないとは今の段階で断言はできない。しかしそれらを最大限に回避するためにできうる限りの方法を一つのユニットに凝縮し、それらを独自の取付けスタイルによって構築していった。

この緑化システムが緑として効果を発揮するか、否かは気象変動に対応した潅水装置のコントロール方法が発見できるかにかかっているといえる。

「取り扱い説明書」より

         
 
 
 
 
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